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震災直後から毎年現地ボランティア活動を行っている方のお話に耳を傾ける。震災直後、津波によって失われた命、街のある一線からこちらは何の変哲もない日常があり、一線の向こうには瓦礫の台地が延々と広がり、泥だらけの服を着た人がさまよっていたという。震災から5年経とうとしている今もまだ、浜辺で行方不明の家族の痕跡を探す遺族の姿があるという。高い位置に家を建てる為の盛土の作業がまだ続き、街どころかまだ家も立て直せていない、仮設住宅で暮らす方は僕らの住む多摩市の全人口に匹敵するという。その人は言った。「復興したと言えるまで、まだこれから10年いや20年かかるかもしれない、そう考えるとこれからお爺さんになる僕よりも、今小学生の君達の方が、ずっと復興への力になれるんだ。震災の日の事は覚えていないみんなだけど、今日伝えた事だけでも忘れないで欲しい。」こども達も目を離さず聞いてくれていた。きっと家に帰って家族に話すのだろう。そうやって話しながら忘れない、それだけでもひとつできる事はあるんだ。その人は明日からまた現地に赴くのだという。復興に励む街に、行きつけの飲み屋があるのだそう、それも素敵な話だと思った。